着物の買取りの話つづき (人に譲るのもおすすめ)


前回に続いて、着物のリサイクルのときの続きのお話です。

前回は、自宅に、着物と他のものを見てもらうために、査定に来てもらったお話や、リサイクルの際のコツみたいなものを書きました。
実際には、着物が売れなかったので、売りたい方へのアドバイスにはならなかったお話かもしれませんが、今後、何かリサイクルするときに、役立てばと思います。


着物のリサイクルは、リサイクル業者さん各社ごとに、査定方法が違うので、1番良さそうなところをリサーチして、また方法に無理のないところを選んでください。
ネットでの口コミなども、判断基準になると思います。

前回、帯や小物だけの買い取りだったため、売ることをやめたのですが、その後、どうしたらいいか困りました。
身近な親類等には実際には誰にも聞いていませんが、引き取ってくれそうなところもなく、人によっては、古着を嫌う人も居るしで考えるほど躊躇しました。
また、実際に着物を日常生活の中で、着る機会のない方ばかりです。

人によっては縁起を担ぐ方も居るので、亡くなった方の持ち物を避ける方も居ますよね。
ご自分のご家族の遺品はともかく、家族外となるとちょっと・・という方も多いと思います。
人によっては、自分の家族でも、人のものはイヤって方も居ます。

成人式の衣装などは、自分たちにとって子供がこれからって場合だと、20年以上先になるし・・。
周りの、小さなお子さんが居る人だって、だいぶ先のことだし・・。
そのお子さん自身が大人になったときに、自分が気に入ったものを着たいでしょうし、ご両親だってそれを望んでいるでしょう。
考えるほどに、要りますか、貰ってくれますか?と、聞くこと自体に気が引けてしまいます。

かといって、売り物には無理そうな品しかない、他の買取業者でも無理そう。
今からまた、別の買取店を探すのも、気持ちが既に折れてしまってるし、疲れる。

考えた結果、怖々だけど、最初は、着付けをしてる人に渡そうか、聞こうと思いました。
それでも、色々思うことがあり、結局は気が引け・・。
思うことがあるというのは、丁度、年齢的に成人したお孫さんたちが居て、成人式は終わっている事。これからそのお孫さんたちに子供が出来ても、また先になりそうなことと。また、着付けをされているような方は、ご自身の家系の考え方があったり、既に何かしら引き継いでいる着物があること、目的をもたれている事などで、こちらから渡しても迷惑ではとか、使いそうにないなと思えたことでした。

次に考えたのが、着物を分解して、生地として、小物作りのリメイクに使うこと。
それでも、なかなか小物類なんて自分で作れないし、着物一つで、どれだけ作ればいいのかと思ったり・・・。
使い切れそうにないし・・。

着物自体をそのまま、ネットオークションすることや、リメイク用の古布としてオークションすることも考えました。
でも、わざわざ、オークションするのも面倒。
以前、手元にたくさんあったものをオークションしたけれど、全く売れなかったので一度で懲りた経験があります。

家に置いておくにも場所がない。
使う予定もないのに置いておくのも・・と、着物が悩みの種になりました。
他にも、亡くなった家族の荷物を、最小限にしましたが、一部引き受けたので、部屋に余裕がありません。
自分たちの荷物も、溢れ気味の中では、使う予定のない着物の保管はとても厳しい。

だからって、廃棄処分するのも・・。

持ち主やその家族が着物を買ったときのことを想像するだけでも、粗末な事はできません。実際に振り袖の生地を見ると、リメイクと言っても、美しくてとてもじゃないけど、ハサミなんかも入れられない。
どうしても、勿体無く感じる。

最初はリサイクルに出して、縁もゆかりもない方が、ただ品物を気に入ってくれて買ってきてもらえて利用してもらえたらと簡単に考えていました。
そして、手元に少しお金が残れば、今後の事に除けておこうかと思ってたのですが。
買取も不可能、小物作りなどの布としてのリサイクルも気が引ける、身内、親族などにも譲る人が居ない。
捨てるなんて・・で、堂々巡りのように考えていたら、思い浮かんだ事がありました。

身内や、親族以外の家族で、家族構成が大人数で、お子さんがたくさん居る家庭を思い出しました。
またその家族は、色んな行事に参加していたり、組織などにも属してるので、横の繫がりもたいへん多い。
子供たちの年齢も、成人して結婚してない子から、小学生まで居る家族で、家庭への他からの人の出入りも多く、なにしろ気軽に横に聞いたり出来る人脈も多い。

思い切って、事情を話し、手元にある着物などを必要なら送りますと聞いてみました。
何十年も前の品だけど、買うには高いし、借りるのも高いだろうし、モノは良いし、悪いものも混じってはいるけど、出来れば着たり、友人知人含め、貸し借りしたりで、存分に使っていただきたい。

返事は即OKで、喜んでくれました。

振り袖などはお子さんの身長と、持ち主の身長とがかなり違うため、大きすぎた子も居たようですが、他の子は使えそうとのこと。帯は間違いなく使えます。

これから、お子さん含め、友達の結婚ラッシュなどが来た時に、およばれした結婚式に参加するとき着てもいいし、お友達に貸してあげてもいい、お子さんがとりあえず着物姿を撮影する時に気軽に着てもらってもいい。
振り袖以外の普段着の着物なんかは、着付けの練習用にもできそう。
新しい着物の生地なんかも、手芸などに使ってもらえるということで、小物や、下着類など含め、丸々送りました。

また、同時に、わたしの手元にあった、着なくなった洋服も。
スーツや喪服なども、着れなくなったものをこのとき送ればよかったけれど、先に、別でリサイクルに持っていったら、一度しか着てないモノ含めて滅茶苦茶に安い金額がつけられました。あの時、あんな値段で売るのなら、断ればよかったと思っています。
喪服とかなら、必要でしょうし使ってもらえるので。
着物と一緒に、その家族に送ってあげたらよかったと後悔しましたが、手元にあった良さそうなものや、未使用品を含めて送りました。

とても大きな荷物で二つ。

送料も、中距離の遠方なので、4000円位掛かりました。
それでも、持ち主だった方が大切にしてきたものを、喜んで受けて下さった方が出来た事で、着物を大切に出来て本当に嬉しかったです。
わたし自身も、なかなか処分できなかった気に入ったワンピースや、サイズが合わず放置していた新品の品などもあげれて嬉しかった。


送る際には、着物の状態を簡単に書いたメモ、手紙を同封しました。
「これにはシミがある。
何年くらい前のもの。
この帯は洗えると思う。
畳み方が違うので、直してください。
一度虫干しして下さい。
未使用、使用洗濯後。
要らなければ学校のマーケットで使ってください。」

など、受け取る方が少しでも楽になるように、出来る事として書いておきました。

結局、売るのとは違って、こちらには送料が掛かってしまったけれど、売るよりも良かったと思っています。
着物の持ち主だった方達の残った家族も、着物を売るよりも、喜んで使ってくれる人に譲った事は、お金に換えるよりも嬉しかったようでした。

到着後、譲り受けた人からの連絡で、家族が着物を観た時の感想や、着てみたら大きかったとか、小さかったとかの話題も伝えると、更に嬉しそうにしてくれて、これで良かったと思えました。
あの時、帯など、一部のものだけを買い取って貰わなくて、良かったと思いました。
着物の持ち主だった方や、亡くなったご家族たちも、きっと喜んでくれるような気がします。

レンタルと言っても、振り袖などはものによっては結構な値段がするようですね。
買うのも高くて難しい事だし、古い着物でしたが、柄などもとても気に入ってくれたそうで、ほんとうに喜んでくれました。
それを聞いて、どれだけ嬉しかったか。
町の行事や、各集まりにもそれぞれに顔が利くお家なので、きっと振り袖など含め、今後フル活用してもらえるはずだと思います。
小物類は早速、使用してくれた人も居るそうです。


もしも、身内や友達に、着物がほしい方が居ない場合は、もう少しねばって、手広く当ってみて下さい。
また、家族が多い家や、何かの団体など、多くの方々に利用してもらえる場や、会などに譲るのも良いと思います。
今回、洋服を含めて、特に着物は、売る前に人に譲るのが良いのではと思いました。

勿論、手元にある着物の数が多すぎたり、処分が大変な場合や、譲る機会がどうしても作れない方は、手放す事も一つの手だと思います。
それら買取り業者を通して、古着として出会いもありますから。

着物は特に、誰かから引き継いできたものであったり、特別な時の為に思い入れがあり誂えたものや、誰かの為に思いやって買ったものが多いと思います。
手放す時は、なるべく最大限に利用してもらえる場に、手放す事を念頭に考えてみて下さいね。

このお話、ただの経験談となりましたが、誰かのお役に立てば嬉しいです♪